眼内レンズと最近の話題
Yellow レンズ、非球面レンズ、多焦点レンズについて
眼内レンズには
おもに白内障手術後に使用するレンズ
- 無水晶体眼用レンズ (IOL::Intra-Ocular-Lens)
おもに近視の矯正を目的に使用するレンズ
- 有水晶体眼用レンズ (ICL: Intra-Ocular-Contact-Lens)
があります。
ここでは白内障手術後に使用する眼内レンズの説明をします。
眼内レンズとは 手術によって眼内に挿入するレンズでコンタクトレンズなどとは違うものです。
したがってコンタクトレンズのように定期的に交換したり洗浄する必要はありません。
眼内レンズの材質・構造
現在当院で使用している代表的な 眼内レンズは以下の レンズです。
単焦点眼内レンズ
多焦点眼内レンズ
どれも紫外線と短波長光(青色光)に対するフィルター効果を有し、さらに、球面収差を軽減させ、コントラスト感度を改善することを目的に設計された非球面のレンズです。
最近の話題Yellow レンズ&非球面レンズ&多焦点眼内レンズ
欧米でも yellowレンズが着実にそのシュアを拡大しています。この背景には オゾンの破壊、紫外線の問題などがあると思われます。
現在 yellowレンズが優れていると思われているのは
- 有害な光線に対する フィルター効果が高い
- 光の透過性が人間の成人(25歳前後)の水晶体に近い
などです。
黄色に着色されても色覚やコントラスト感度はほとんど影響されないといわれており日本でもこれからそのシュアを拡大していくことが予想されます。※コントラスト感度:模様や明るさの微妙な違いを判断する能力
最近のもうひとつの話題は球面収差を軽減させ、コントラスト感度等を改善することを目的に設計された非球面のレンズの登場です。収差とは、光がレンズを通じた後、像を結ぶときに発生する色や像にボケやゆがみが生じる現象で 球面収差は収差の1つです。レンズ周辺部を通る光が、中心部を通る光よりも、近いところに結像するために、焦点にぼけが生じる現象です。
このタイプのレンズは夜間の見え方が良いとされ、夜間に車を多く運転される方に勧められます。